介護保険法

介護保険とは国の定めた公的な制度です。では、介護保険とは何を元に制定されているのでしょうか。公的な制度は法律を元に制定されておりまして、介護保険を制定するにあたって、用いられた法律が介護保険法なのです。

介護保険法とは

介護保険法は平成9年(1997年)12月に制定された法律です。

わかりやすく言いますと、高齢者または年齢に起因する病気により一人では日常生活を送れない人に対して、できるだけ不自由なく生活が送れるように介護施設や訪問介護サービスを利用しやすい環境をサポートすることです。

一人で生活できるように病院での病気の治療や、病院や福祉施設でのリハビリを行いやすい環境を作るために、介護保険制度を設けて全国民で高齢者の生活をささえる為の法律のことを介護保険法といいます。

介護保険法が制定された背景

護保険法はまだ新しい法律と言えます。では、介護保険法が制定される前までは、高齢者は介護サービスを受けることができなかったのでしょうか。その費用は全て自己負担だったのでしょうか。

ここでは介護保険法が制定される前までは、高齢者介護がどのように行われていたのか、また、なぜ介護保険法が制定されることになったのかをご紹介させていただきます。

介護保険法が制定される前の高齢者介護

介護保険法が制定される前までの高齢者の介護に対する制度やサービスは主に健康保険(老人保健)にて賄われておりました。

昭和48年(1973年)には老人福祉法(1963年制定)改正に伴い高齢者(70歳以上。条件付で65歳以上)の医療費自己負担額は無料で行われていた時代もありました。

しかし、高齢化が進むと共に、無意味な診療や複数の病院での診療(はしご受診)等の増加や、怪我や病気による長期に渡る入院にともない親族や身寄りがなくなるなど、一人での生活が困難なため治療自体は終わっていても退院後の受け入れ先が無く入院し続ける(社会的入院)といった問題等により、高齢者の医療費が増加してしまいました。

一例として1973年の無料化から10年で高齢者にかかる医療費は10倍近くまで膨れ上がる等があります。その後1983年医療費定額負担を皮切りに、2002年には1割負担と、高齢者に対する負担額が増加しているのが現状です。

また、昭和38年(1963年)制定の老人福祉法も高齢者を対象とした公的制度で、医療費の負担(後に老人保健法に引き継ぐ)や老人福祉センターや特別用語老人ホーム(介護老人福祉施設)等の老人福祉施設の設立等が行われましたが、利用者が施設やサービスを選ぶことができず、また受け入れ施設が足りない等の問題もありました。

介護保険法はなぜ必要なのか

介護保険法が制定されるまでは、老人保健法と老人福祉法等により高齢者の介護に関する制度を制定しておりました。

しかし、高齢者が増加し医療費増加(財源不足)に伴う制度持続の難しさや、地域や施設によるサービスの格差、絶対的な施設不足等を解消するために、新たな法律が定められております。

その内容は、わかりやすい負担金の納付方法と制度持続のための社会保障制の導入、社会的入院を防ぐための介護施設や介護支援サービスの充実等を行い、高齢者が本当に必要としている介護、支援サービスを受けることができるような制度を作るために必要と判断され制定されたのが介護保険法なのです。

介護保険法はその時代背景により悪法にもなりえる可能性も含んでおりますが、5年で見直し(改正)を行うよう規定されておりまして、現在(2009年)までに1度(2005年)見直しが行われております。その法律を基にして介護保険制度も内容も変更されます。

しかし、全国一律の制度に基づいて各施設で適切な介護、支援を行うことの難しさや、介護業界全体の人材不足、高齢低所得者の保険料負担の重さ等、様々な問題を抱えているのも事実です。

今後も改正により介護保険法はその時代に合った良い法律になっていくと思われますが、全国民に関係する法律ですので関心を持ち見守っていかなければいけません。