介護老人福祉施設

介護老人福祉施設は老人福祉法に規定されている入所定員が30名以上の特別養護老人ホーム(特養)のことであり、利用者は施設に入所して介護サービスを受けることができます。ここでは介護老人福祉施設がどのようなサービスなのか見ていきましょう。
なお、30人未満の施設は地域密着型介護老人福祉施設と呼ばれ、同様のサービスを受けることができます。

介護老人福祉施設とは

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)とは、介護保険の施設サービスにあたり、介護給付により利用できるサービスであり、地方自治体や社会福祉法人により運営されております。

どんな人が利用できるのか

要介護1から要介護5までの認定を受けた人が入所することができますが、利用応募者の増加に伴い、入所の必要性が高い人を優先的に入所させる決まりになっております。

入所基準を市区町村にて入所指針として公表している地区もありますが、主に寝たきりや認知症等により、自宅での日常生活を一人で送ることができない人が多いようです。

どんなサービスを利用できるのか

施設に入所し、日常生活を送る上で必要な食事、入浴、排泄等の介護を受けることができます。

また、それら行動に伴う行動訓練や体調管理等のサービスも受けることができ、レクリエーション等を通じての行動訓練等が、効果が高いと言われています。

食事に関しましても栄養士による食事管理が義務付けられておりますので、個々の症状に合わせて食事が提供されます。

主に介護を目的とした施設であり、行動訓練等による身体機能の回復を図り、自立した生活を送ることを目標として介護生活を送ります。

どんな施設でサービスを受けられるのか

以前は4人から6人が同じ部屋で暮らす多床型の施設が一般的でしたが、多床型ではプライバシーを保つことができず、また、個々の症状の違い等からも現在では個室(ユニット)化が進んでおります。

個室にトイレや浴室が付いている施設もありますが、主流は自分が過ごす個室の他に、共同のトイレ、浴室、食堂、広間(静養室)、行動訓練を行える施設、看護室等を有する施設が多いようです。

介護老人福祉施設の自己負担額

介護老人福祉施設は介護保険の施設サービスにあたりますので、居宅サービスの支給限度額とは関係無く、その施設(部屋タイプ、職員数等)、要介護度によりサービス費用が決まります。

入居における一時金は不要

要介護度が低い(要介護1)人に比べると要介護度が高い(要介護5)人の方が施設利用料は高くなります。別途、食費、居住費、また日常生活を送る上で必要となる費用(理美容代等)がかかります。

なお、おむつ代は介護保険給付の対象となりますので、別途費用がかかることはありません。介護保険給付以外の別途かかる費用に関しましては、要介護度や利用施設、所得等に応じて、高額介護サービス費や特定入所者介護サービス費等を申請することにより払い戻しを受けることができる場合もあります。

民間の有料老人ホームのように入居時の一時金等はありません。

介護老人福祉施設のメリット

介護老人福祉施設では、24時間体制で介護職員、看護師の下、安全な環境で暮らすことができるというメリットが大きいと思います。

費用はかかりますが、個室の利用もできますので利用者の生活を送る上での負担等の軽減も図られております。

居宅サービスにより訪問介護等を受ける場合では、どうしても家族による介護協力を必要としますが、身寄りが無い人等も安心して老後を過ごすことができ、また、終身での利用も可能な場合が多いので、社会的入院(治療目的以外の療養中の入院)の問題解消にも役立っていると思われます。

介護老人福祉施設の問題

介護老人福祉施設は他の入所型介護施設に比べると、費用の負担が安く済む為、利用希望者が多数おります。

その為、入所を希望したとしても、介護必要度の度合いや、そもそもの施設利用希望者の順番待ち等により、すぐには入所することができずに、数ヶ月から長い場合には数年の待機時期を要する場合もあります。

複数施設の申し込みが可能であること

一人で複数の施設に対して利用申し込みを行うことができるので、待機者が見た目多くなってしまっているということもありますが、その人が施設に入所することにより、他の施設の入所申し込みはキャンセルしたことになりますので、実際の待機者数よりは早めに施設に入所することができると思われます。

健康状態によって選別される

介護保険制度では、利用するサービス、施設を自分で選ぶことができますが、介護老人福祉施設に関しましては、利用希望者の多さを思うと、必ずしも自分が利用したい施設を、自分の都合の良い時期に利用することは難しいといわざるを得ないと思います。

また、ある程度以上の医療行為が必要とされる人の入居をしぶる施設等もあり、また、入居中に症状の悪化等により相応の医療行為が必要な場合は、退所せざるを得ないということもあります。

それは介護老人福祉施設が医療看護よりも、介護を主とした施設であるということであり、介護保険の他の施設サービスとの住み分けによる問題が今後も増加すると思われています。