理学療法士

介護保険から給付を受ける人は要介護認定を受ける必要があります。要介護認定は精神的な障害のある人も認定されますが、大部分の人は身体的な障害のある人が認定を受けます。病気や怪我、高齢を起因とする身体的な障害(麻痺等)は治療やリハビリテーションを行うことにより回復する可能性があります。そのリハビリテーションを主に行うのが理学療法士なのです。

理学療法士とは

理学療法士とは国家資格であり、フィジカルセラピスト(Physical Therapist:PT)とも呼ばれます。理学療法士は名称独占の資格であり、理学療法自体は誰でも行うことができますが、無資格者が理学療法士の名称を使うことは禁止されております。

理学療法士の資格取得方法

理学療法士の資格を取得する方法は、年に一度行われる筆記試験と実技試験を受け合格する必要があります。弱視者用に点字による筆記及び実技試験の代わりに口述試験が行われております。

理学療法士国家試験の受験資格

理学療法士国家試験を受けるためには受験資格がありまして、現在(2009年)の段階では3パターンの受験資格があります。

1

大学入学有資格者で指定されている理学療法士養成施設にて3年以上勉強し、理学療法士としての知識、技術を習得した人

2

外国の理学療法士養成施設を卒業した人、または外国で理学療法士の資格を取得した人で、1の項目と同等の知識、技術を有していると認められた人

3

指定を受けている大学、専門学校にて理学療法士の知識、技術を習得し卒業した人

理学療法士の仕事

理学療法士は生活に支障をきたす身体的な障害を抱えている人に対して、その身体機能の回復を図るためにリハビリテーションを専門に行います。

リハビリテーションは大きく分けて運動療法と物理療法に分けられ、その二つの療法を合わせて行い障害の改善を図ります。

運動療法とは

運動療法とは実際に障害のある患部を動かしたり、その患部により行えない日常的な動作(歩く、物を持つ等)の訓練のことを言います。

作業療法とは

作業療法とは障害のある患部の痛みを和らげる為、また機能回復の為に温熱、電気、光線機器を使った治療やマッサージを行うことを言います。

理学療法士の職場

理学療法士の主な仕事はリハビリテーションになりまして、リハビリテーションを行う様々な施設に従事しております。内訳としましては病院や診療所等の医療機関が最も多く、ついで介護老人保健施設等の介護医療施設が多いようです。

その他としては、身体障害者療護施設等の福祉施設、保健所や市町村の保健センター等の行政機関、理学療法士養成施設や養護学校等の教育機関にも理学療法士が活躍する場があります。

理学療法士と作業療法士の違い

理学療法士と作業療法士は、どちらも障害のある人をリハビリテーションにより、身体機能を回復させるという点では同様の職業といます。理学療法士及び作業療法士法からは、理学療法士は主に身体的な障害、作業療法士は身体に加え精神的な障害を持つ人に対して医師の支持の下、リハビリテーションによる回復を図る業の者と記載されております。

理学療法士ができないこと

理学療法士は精神的な障害を抱える人に対しての療法行為を行うことはできないことになっております。しかし、実際の現場では専用の施設でない限りは、怪我による障害を負った人から、高齢による身体機能の衰えによる障害を抱えた人まで様々な人に対してリハビリテーションを行う必要があり、理学療法士が機械的にリハビリテーションを行うわけではなく、障害を抱えた人の精神的な部分のケアもする必要があります。

理学療法士が精神的な障害を抱えた人に対して療法を行うことができないということは、あくまで専用の施設において、精神的な障害を持つ人用のリハビリテーションを行うことができないということです。理学療法士は、歩く等の基本的行動に関するリハビリテーションを主に行うため、下肢に関するリハビリテーションは理学療法士というイメージが強いようです。

理学療法士の今後

理学療法士国家試験は1966年(昭和41年)に第1回目の試験が行われてから毎年行われており、2009年では国家試験合格者数は73,000人を超えております。第1回試験から35年目の1999年(平成11年)での合格者数は2万人を超える程度でしたが、その後10年で7万人を超えるまでに急増いたしました。

これは、1990年代からの教育分野における規制緩和に伴い、理学療法士養成専門学校等が乱立したことが原因とされております。理学療法士増加に伴う質の低下等が問題視されると共に、診療報酬削減、リハビリテーション療法施行時間減少等の問題もあり、すでに理学療法士が飽和状態にあることから、資格を取得しても、必ずしも希望の施設にて働けるとは言えない状況のようです。