日常生活自立支援事業・地域福祉権利擁護事業

介護保険制度は介護を必要とする高齢者が自立した生活を送れるように、介護サービスや施設等を利用することができる制度です。介護を必要とする人には、体に障害がある人もいれば、認知症等により判断能力が低下してしまう人います。福祉制度を適切に利用したり、金銭の管理などは難しいと言えます。それらの不安を解消するのが日常生活自立支援事業なのです。

日常生活自立支援事業(旧地域福祉権利擁護事業)とは

日常生活自立支援事業とは2007年(平成19年)4月までは地域福祉権利擁護事業という名称で行われていた、都道府県や指定都市の社会福祉協議会にて実施されているサービスです。

認知症や知的障害等の精神的な障害により、自ら公的なサービス等を利用するのが難しい、日常生活における必要な金銭の管理(年金受け取り、公共料金支払い、保険料納付等)を行うことができない、年金や預金通帳等を自宅で管理するのに不安がある人等を対象に、本人に代わり生活支援員が福祉サービスの利用手続きや、金銭、財産の管理等を行うサービスです。

日常生活自立支援事業を利用できる対象者

精神的な障害等により、判断能力が低下しており、自立した日常生活を送ることが困難な人が対象となりますが、完全に判断能力が無い人はサービスを利用することはできません。

サービスを利用するためには本人の承諾が必要になりますので、日常生活自立支援事業がどのようなサービスなのかを理解することができる人が対象となります。お住まいの都道府県・市区町村の社会福祉協議会に相談することによりサービスの利用手続きができます。

日常生活自立支援事業で利用できるサービス

日常生活自立支援事業にて受けられるサービスは大きく分けて3種類あります。

福祉サービスの利用補助

福祉サービス(介護保険等)に関する情報の提供や、実際に福祉サービスを利用する際の契約手続き、利用料金の支払い、適切なサービスを利用出来ているか、またサービスに対する相談、苦情等に応じてくれます。

日常生活に必要な金銭管理

生活する上で必要となる、家賃や公共料金の支払い、税金や病院等への支払い、年金の受領、預金の出し入れ等を行ってくれます。

書類や財産の保全

利用者の預金通帳や印鑑、年金証書や保険証書等の証書類の財産を預かってくれます。

日常生活自立支援事業の利用料金

日常生活自立支援事業にて生活支援員の援助は有料サービスになりまして、都道府県により料金の設定は違います。

各種の相談は無料で行われており、生活支援員によるサービスは1時間1000円から1300円程で、1時間以降は延長料金が500円加算されることもあり、また利用者自宅までの交通費がかかる場合もあります。

書類や財産の預かりサービスは、月1000円から年間3000円等で都道府県によってかなり差があります。実際の利用料金に関しましてはお住まいの都道府県の社会福祉協議会にお問い合わせ下さいませ。なお、生活保護を受給している世帯では利用料金は無料となります。

日常生活自立支援事業と介護保険

日本は核家族の世帯が多く、高齢者増加と共に高齢者の単独世帯も増加しております。

全ての高齢者が認知症等により福祉サービスの利用、金銭管理等が困難であるということはありませんが、離れて暮らす親が軽度の認知症を患っているという人がいるのも事実です。

介護保険などの適切なサービスを利用することにより、本人が望む自宅での自立した生活を安心して送ることができるようになります。しかし、高齢者にとって介護保険の利用手続き等は決して簡単に行えるとは言えません。サービス利用にあたり本人の理解は必要ですが、日常生活自立支援事業は、利用者本人はもちろん高齢の親がいる人も、介護保険と同様に覚えておいた方が良いサービスであると言えます。

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